Superb scenery! Chapada Diamantina---So, what is Chapada?
2025年11月18日 増補改訂
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テーマ 12 シャパーダって何だ?0 HOME⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
ブラジルでシャパーダ(Chapada)とは、ほぼ水平な地層でできたテーブル状の丘で、堆積岩台地、メサ、あるいは単に台地とも言える地形である。 ブラジルの主なシャパーダの分布を示す上の図では、シャパーダは「○○台地」としてある。 左下の写真は、ブラジル北東部地方、ペルナンブコ、セアラー両州の境界にあるアラリペ台地 Chapada do Araripe で、このような地形が典型的なシャパーダである。
しかし、台地と呼ばれる地形でも、河岸段丘や海岸段丘のようなもの(日本の例では武蔵野台地や下総台地など)はシャパーダではない。 ブラジルの研究者たちはどのような地形をシャパーダと考えているかについてアンケート調査した結果*1)があり、それを参考にすると以下のようになる: シャパーダは、周囲の低地から十分目立つ比高がある台地で、若干の例外*2)はあるが主に堆積岩からなること;平坦な台地面の傾斜およびそれをつくる地層の傾斜はおよそ6度を超えないこと;台地面と台地斜面は明瞭な傾斜変換(折れ目)を持って接すること;台地の広さは 10 ヘクタール以上あることなどである。
上の図で赤い記号と文字で示したように、ブラジルにはシャパーダという語が付く国立公園が四つある。 そのうち二つ(ギマランエス台地 Chapada dos Guimarães とメーザス台地 Chapada das Mesas)は、古生代や中生代の地層が先カンブリア時代の岩石を覆って横たわる卓状地である。 一方、残りの二つ(ジアマンチーナ台地 Chapada Diamantina とヴェアデイロス台地 Chapada dos Veadeiros)は十数億年前(先カンブリア時代原生代)の岩石からなる台地であるが、これらをつくる原生代の変成度の低い変成堆積岩は大きく傾いてもいないので、シャパーダと呼ばれる条件を満たしている。
ここでは、観光地として人気のシャパーダ・ジアマンチーナを手始めに、ブラジルのいくつかのシャパーダを巡ってみよう。
分布図は IBGE(ブラジル地理統計院)2006 年発行:ブラジル地形区分図
Mapa de Unidades de Relevo do Brasilを基図とし、国立公園などを加筆して作成。
*1)Martins F.P. & Salgado A.A.R.(2016):
Chapadas do Brasil: Abordagem Científi ca e Conceitual Revista Brasileira de Geomorfologia, v.17, 163-175.
*2) 変成度の低い変成堆積岩(スレート、大理石など)、火山性堆積岩(凝灰岩など)、塩基性溶岩(玄武岩層など)