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Superb scenery! Chapada Diamantina---So, what is Chapada?
2025年11月18日 増補改訂
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ブラジルでシャパーダ(Chapada)とは、ほぼ水平な地層でできたテーブル状の丘で、堆積岩台地、メサ、あるいは単に台地とも言える地形である。 ブラジルの主なシャパーダの分布を示す上の図では、シャパーダは「○○台地」としてある。 左下の写真は、ブラジル北東部地方、ペルナンブコ、セアラー両州の境界にあるアラリペ台地 Chapada do Araripe で、このような地形が典型的なシャパーダである。
しかし、台地と呼ばれる地形でも、河岸段丘や海岸段丘のようなもの(日本の例では武蔵野台地や下総台地など)はシャパーダではない。 ブラジルの研究者たちはどのような地形をシャパーダと考えているかについてアンケート調査した結果*1)があり、それを参考にすると以下のようになる: シャパーダは、周囲の低地から十分目立つ比高がある台地で、若干の例外*2)はあるが主に堆積岩からなること;平坦な台地面の傾斜およびそれをつくる地層の傾斜はおよそ6度を超えないこと;台地面と台地斜面は明瞭な傾斜変換(折れ目)を持って接すること;台地の広さは 10 ヘクタール以上あることなどである。
上の図で赤い記号と文字で示したように、ブラジルにはシャパーダという語が付く国立公園が四つある。 そのうち二つ(ギマランエス台地 Chapada dos Guimarães とメーザス台地 Chapada das Mesas)は、古生代や中生代の地層が先カンブリア時代の岩石を覆って横たわる卓状地である。 一方、残りの二つ(ジアマンチーナ台地 Chapada Diamantina とヴェアデイロス台地 Chapada dos Veadeiros)は十数億年前(先カンブリア時代原生代)の岩石からなる台地であるが、これらをつくる原生代の変成度の低い変成堆積岩は大きく傾いてもいないので、シャパーダと呼ばれる条件を満たしている。
ここでは、観光地として人気のシャパーダ・ジアマンチーナを手始めに、ブラジルのいくつかのシャパーダを巡ってみよう。
分布図は IBGE(ブラジル地理統計院)2006 年発行:ブラジル地形区分図
Mapa de Unidades de Relevo do Brasilを基図とし、国立公園などを加筆して作成。
*1)Martins F.P. & Salgado A.A.R.(2016):
Chapadas do Brasil: Abordagem Científi ca e Conceitual Revista Brasileira de Geomorfologia, v.17, 163-175.
*2) 変成度の低い変成堆積岩(スレート、大理石など)、火山性堆積岩(凝灰岩など)、塩基性溶岩(玄武岩層など)
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:1] | 1 /20 |
シャパーダ・ジアマンチーナの典型的景観:パイ イナシオ丘からの眺望Typical landscape of Chapada Diamantina: view from Pai Inácio Hill |
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ブラジル観光の定番ルートからは外れている北東部地方にも、ブラジル最後の秘境などと言われる景勝地がある。 バイア州の州都サルヴァドールから 350㎞ ほど内陸に入った所にあるシャパーダ・ジアマンチーナである。 ジアマンチーナはダイアモンドを産するという形容詞、シャパーダは堆積岩台地(地形学で言うメサ)なので、「ダイアモンドを産する台地」という意味である。 これは、1844年にこの地域でダイアモンドが発見されたことに由来する地名である。
この写真は、ブラジリアとサルヴァドールを結ぶ幹線国道沿いという便利なところにあるパイ イナシオの丘(Morro do Pai Inácio)から撮影したもので、シャパーダ・ジアマンチーナの代表的景観である。 広々とした谷と高さの揃った多数の台地(シャパーダ)からなる景色は壮観である。台地を取り巻く急崖には、水平な地層が露出している。
ただし、この中にジアマンチーナという名の台地があるわけではない。 シャパーダ・ジアマンチーナは、このように小さなシャパーダが多数立ち並ぶ山地の通称で、ブラジル地理統計院(IBGE)の地形区分図ではジアマンチーナ山地(Serras da Diamantina)とされている。 この山地にはブラジル北東部地方の最高峰バルバード山(Pico do Barbado、2033m)がある。
ジアマンチーナ山地はいくつかの小さな山脈からなるが、観光の中心はシンコラ山脈(Serra do Sincorá)*1)で、南北に約 150㎞ あるこの山地の約2/3がシャパーダ・ジアマンチーナ国立公園である。
*1) 参考文献:Augusto J. Pedreira(2001): Serra do Sincorá, Bahia, Sítios Geológicos e Paleontológicos do Brasil - 085.
2007年3月6日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 27 28.01, -41 28 17.40 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 22°
PanoraGeo-No.80
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:2] | 2 /20 |
シャパーダ・ジアマンチーナの広々とした谷Spacious valleys of the Chapada Diamantina |
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シャパーダ・ジアマンチーナの多くのシャパーダ(台地)の間に横たわる谷の一つ、セルカード谷の谷底からの景観で、写真左端の丘がパイ イナシオの丘である。中央遠方にはカメロの丘(Morro do Camelo)が聳えている。カメロとはポルトガル語でラクダのことで、言われてみればそのようにも見える。
セルカード谷の幅は約1km あり、かなり広々とした感じ。谷底から台地面までの谷壁の高さは、パイ イナシオの丘も右端のシャパーダも 250~300mほどである。 谷壁の上部は砂岩や礫岩の地層が露出した垂直の崖で、下部はその崖から崩落した岩塊が堆積した崖錐が裾を引いている。 シャパーダ・ジアマンチーナに特徴的な幅広い谷と高さの揃った台地(シャパーダ)からなる地形のでき方については、 こちら を参照されたし。
2007年3月6日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 27 40.91, -41 28 5.25 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 3°
PanoraGeo-No.540
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:3] | 3 /20 |
背斜谷、シャパーダ・ジアマンチーナのカポン谷Vale do Capão, an anticlinal valley in the Chapada Diamantina |
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シャパーダ・ジアマンチーナの代表的見晴らし台であるパイ イナシオの丘から南方を臨むと、眼下に幅2㎞ ほどのカポン谷が横たわり、その両岸にテーブル状の丘(シャパーダ)がそびえている。 それらの丘の崖に露出する地層を見ると、谷の西側(写真の右端)の丘の地層は緩く西(右)に傾斜しているのに対し、谷の東側(写真の左)の丘の地層や地表は東(左)に向かって緩く傾いている。 東西の丘の地層は一連のもので、かつては緩やかに上にたわみ(褶曲し)ながら連続していたが、現在ではその高かった部分(背斜)が削られて谷になり、両翼が丘となって残っている。 このような谷を背斜谷という。ここは背斜谷が一目で眺められる貴重なスポットである (参照:シャパーダ・ジアマンチーナ北部、パイ イナシオ丘付近の地質断面)。
右遠方に見える孤立丘は、この背斜谷の中に削られずに残ったビュート(メサが侵食され、頂面が狭くなった丘)のモロン(Morrão、大きな丘の意)で、この国立公園のランドマークのひとつである。
2007年3月6日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 27 32.90, -41 28 18.04 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 175°
PanoraGeo-No.539
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:4] | 4 /20 |
空から見たシャパーダ・ジアマンチーナChapada Diamantina seen from the sky |
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サンパウロからブラジル北東部地方第二の都市フォルタレーザへ向かい北上する飛行機は、離陸のあと1時間半くらいで、シャパーダ・ジアマンチーナ上空を通過する。 写真は左側の機窓から西を望んで見えるマンガベイラ山脈である。 マンガベイラ山脈はシャパーダ・ジアマンチーナ(ジアマンチーナ山地)の支脈のひとつで、同じ支脈であるシンコラ山脈と同様、先カンブリア時代の地層からなる褶曲山脈のさまざまな侵食地形が発達している。
この写真には、東(写真右)に急な崖を向け、西に傾き下る斜面(背面)をもつ非対称な断面形の丘が多数見られる。 このような地形は、背斜翼部の傾いた硬層が、侵食に耐えてできた同斜山稜(Homoclinal ridge)とよばれるものである。 同斜山稜のうち、斜面の角度が15度以下ならケスタ、45 度以上ならホッグバックであるが、この写真の丘は、そのいずれにも属さないので、単なる同斜山稜である。
2011年8月27日撮影
カメラの位置 (緯度,経度):-13 3 54.69, -41 41 5.12 (Google Map)
撮影方向:北から時計回り 274°
写真中心位置:-13 3 1.77, -41 53 24.96 (Google Map)
PanoraGeo-No.544
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:5] | 5 /20 |
シャパーダ・ジアマンチーナの台地をつくる先カンブリア時代堆積岩Pre-Cambrian sedimentary rocks of Chapada Diamantina |
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これはシャパーダ・ジアマンチーナのパイ イナシオ丘の崖に露出している砂岩を主とした地層(トンバドール層)である。いかにも硬そうな感じがする。 この地層ができたのは約 12 億年前(先カンブリア時代の中原生代)という古い時代である。 厳密にはゆるやかに傾いているとはいうものの、日本のような地殻変動の激しいところでは考えられないほど変形の程度は小さい。
ロライマ山やエンジェルの滝で有名なギアナ高地のロライマ超層群の岩石は約 18 億年前(古原生代)で、シャパーダ・ジアマンチーナより若干古い。 しかし、両者とも、ほぼ水平に横たわる硬く固結した砂岩、礫岩を主とする堆積岩からなっている。したがって頂の平ら台地や高い滝があるなど、地形もよく似ている。 ただ、台地の高さや広さではギアナ高地にはかなわない。 シャパーダ・ジアマンチーナには落差 340m のフマーサの滝があるが、ギアナ高地の落差約 1000m のエンジェルの滝には及ばない。 シャパーダ・ジアマンチーナはギアナ高地を一回り小さくしたものと言えそうである。
2007年3月6日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 27 25.83, -41 28 19.99 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 260°
PanoraGeo-No.250
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:6] | 6 /20 |
レンソイス川の石橋Rock bridge over the Rio Lençóis |
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シャパーダ・ジアマンチーナ国立公園探勝のおもな基地はこの写真の都市レンソイスである。 ジアマンチーナの語源であるダイアモンドや金の採掘の基地として成立した集落である。 その市街の入り口にある美しいローマ風アーチ橋は、シャパーダ・ジアマンチーナ国立公園のシャパーダ(台地)を構成する先カンブリア時代の硬い堆積岩を組んで造られた石橋である。
この橋の下を流れるレンソイス川の水の色が異様に黒い。 アマゾン地方のネグロ川の水で代表される熱帯の「黒い水」である。 黒いといっても習字の墨のような黒さではなく、赤みを帯びた黒、いわばコーラ飲料を濃くしたような色で、かなり澄んでいる。 黒い水の「黒い川」があるのはアマゾン地方だけではない。 この国立公園から流れ出る川の多く、たとえば、パイイナシオ丘の麓のセルカード谷から流れ出すムクゲジーニョ川もこのタイプである。
2007年3月7日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 33 40.92, -41 23 21.38 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 255°
PanoraGeo-No.78
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| シャパーダって何だ? [ジアマンチーナ:7] | 7 /20 |
シュノーケリングが楽しめるプラチーニャ鍾乳洞Pratinha Cave where you can enjoy snorkeling |
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観光地シャパーダ・ジアマンチーナの魅力のひとつは多数の鍾乳洞の存在である。 そのほとんどは、国立公園になっているシンコラ山地の麓にある二つの石灰岩台地、すなわち北西麓のイレセー台地と東麓のウチンガ台地にある(地図参照)。
美しい鍾乳石を売り物にする鍾乳洞もあれば、この写真のように洞を満たす澄みきった水が人気のものもある。 イレセー台地にあるプラチーニャ農園(Fazenda Pratinha)のこの洞窟は、奥までシュノーケルやフィンをつけて泳ぎ入って、神秘な光景を体験できる。
イレセー台地の鍾乳洞がある石灰岩は、シンコラ山地の岩石より一時代新しい新原生代(8.5 億~6.5 億年)のもの。 フェジョン豆産地として有名なイレセー市があるイレセー台地は、隆起して1300m 前後の標高があるシンコラ山地の麓にひろがる700~800mの平地で、台地というより盆地のような地形である (参照:シャパーダ・ジアマンチーナ北部、パイイナシオ丘付近の地質断面)。
2007年3月6日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 21 9.26, -41 32 27.33 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り -
PanoraGeo-No.537
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| シャパーダって何だ? [ギマランエス:1] | 8 /20 |
クイアバ市郊外から望んだギマランエス台地Chapada dos Guimarães (Guimarães Tableland) seen from the outskirts of Cuiabá City |
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マトグロッソ州の州都クイアバ市の郊外、緩く波打った平野を貫く道路の行く手には、ギマランエス台地が横たわっている。 この付近の平野は、先カンブリア時代後期(新原生代)の岩石に発達した侵食平野で、ブラジル楯状地の一部であるが、その西縁に近いため、標高は 200m 前後しかない。 低緯度で大陸の真ん中*1)にありながらこのように低所にあるクイアバは、暑さの厳しい都市である。
この平野より 300m ないし 500m 高いギマランエス台地は、楯状地を覆う古生代や中生代の堆積岩の地層からなるシャパーダである。 このような地質構造の土地は、楯状地(シールド)に対して卓状地(プラットフォーム)と呼ばれる。 ギマランエス台地はパンタナール湿原とともに、マトグロッソ州を代表する観光地である。
道路沿いには、ブラジル高原のサバナ原野であるカンポセラードがひろがる。 サバナ気候の厳しい乾季に入ってから2カ月余り経ち、木々の葉は枯れ始め、すでに落葉したものもある。
*1) 南アメリカ大陸の地理的中心の位置には2説ある。一つはクイアバ市内(グーグルマップ)、(ストリートビュー)で、もう一つはギマランエス台地上のシャパーダドスギマランエス市郊外の南緯15°36'04.0" 西経55°28'49.1"(測地展望台 Mirante do Centro Geodésico da América do Sul)である。
2003年8月11日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-15 25 45.24, -56 1 11.64 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 44°
PanoraGeo-No.542
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| シャパーダって何だ? [ギマランエス:2] | 9 /20 |
ギマランエス台地Chapada dos Guimarães (Guimarães Tableland) |
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ギマランエス台地(シャパーダ・ドス・ギマランエス)は、マトグロッソ州の州都クイアバ市の北東にあり、北西―南東方向に 70㎞ ほど続く細長いシャパーダである。 マトグロッソ州南東部には、東西に 300㎞ ほどにわたって、ギマランエス高原*1)という堆積岩地域が広がるが、ギマランエス台地はその最西部に位置している。
ギマランエス台地の南西側、クイアバの低地に向かって、この写真のような急崖が連なっている。 急崖の頂の標高は約 700m、崖の高さは 300mほどある。 この垂直な崖をつくるのは中生代ジュラ紀~白亜紀(1.3 億~1.5 億年前)の硬い砂岩層(ボツカツ層)である。 この地層は、崖と反対の北東方向に3~4度で傾斜し、地表もそれと同様、北東へ少しずつ低くなって行く。 そのため、ギマランエス台地の北東側には明瞭な崖がなく、ケスタの背面のようなゆるかな斜面がつづいている。 したがって、この写真の急崖も、ケスタの崖と言うのが正しいかもしれない。
ギマランエス台地西部の 328 平方km はシャパーダ・ドス・ギマランエス国立公園に指定されている。 崖の上からクイアバの低地も見下ろすすばらしい展望をはじめ、砂岩層が削られてできた峡谷や滝、奇岩、洞窟など景勝地が多い。 写真中央に小さく見える建物はサルガデイラ複合観光施設。豊富な水に恵まれた小川や滝での河水浴のほか、キャンプ場、レストラン、遊歩道などが利用できる。 この施設があるクイアバからの道路沿いを除き*2)、崖下の低地一帯も国立公園に含まれ、豊かな緑が保護されている。
*1) ギマランエス高原(Planalto dos Guimarães)は、多くの樹枝状の小谷に刻まれて分離した標高 600m 前後の台地(シャパーダ)の集まりである。
マトグロッソ州西部に広がるパレシス台地(シャパーダ・ドス・パレシス)などとともに、広大なマトグロッソ高原を構成している(地図参照)。
*2) ブラジルの国立公園は自然保護が第一目的で、原則として人の居住は認めていない。したがって、このような観光施設や台地上にあるシャパーダ・ドス・ギマランエス市の市街地なども、国立公園の範囲外である。
2003年8月11日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-15 22 3.20, -55 50 50.73 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 56°
PanoraGeo-No.9
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| シャパーダって何だ? [ギマランエス:3] | 10 /20 |
ギマランエス台地から落ちるヴェーウ・デ・ノイーヴァ滝Véu de Noiva Fall falling from the Chapada dos Guimarães (Guimarães Tableland) |
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高さ 86m のヴェーウ・デ・ノイーヴァ滝はシャパーダ・ドス・ギマランエス国立公園の中心的存在で、近くに同公園の管理事務所や売店などがある。 ヴェーウ・デ・ノイーヴァとは「花嫁のベール」という意味である。
この滝は、古生代デボン紀前半(3億数千万年前)のパラナ層群フルナス層の砂岩に懸かっている。 パラナ層群という名からわかるように、ギマランエス台地は、大きな地質単位ではブラジル南部にひろがるパラナ堆積盆地に属し、その北西端の突出した部分に位置している(参照:ギマランエス台地と周辺の地質図)。
この滝の落ち口付近の台地は典型的なカンポセラード(セラード原野)で、流路沿いのギャラリー林(回廊林)以外は草原に低木が散在するサバナである。 撮影した8月はサバナ気候の顕著な乾季に入ってから2カ月あまり経ち、下草は枯れ、多くの低木は落葉して、乾いた淡褐色の景観になっている。
2003年8月11日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-15 24 27.03, -55 49 57.54 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 169°
PanoraGeo-No.533
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| シャパーダって何だ? [ギマランエス:4] | 11 /20 |
ギマランエス台地の硬層、ボツカツ層Hard sandstone layer of Chapada dos Guimarães (Guimarães Tableland), Botucatu Formation |
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クイアバ市のある低地からギマランエス台地の崖を登り切ったあたりで現れる中生代ジュラ紀末から白亜紀はじめ(1.3 億~1.5 億年前)のボツカツ層の露頭には、大きく傾いた地層が目に付く。 水平~ほぼ水平な地層でできているはずのシャパーダとしては異様であるが、実はこれ、普通の地層ではなく偽層(ぎそう)である。 斜交層理という語の方が一般的かもしれない。このような斜交層理が多いボツカツ層自体はこんなに傾いてはいない。 この顕著な斜交層理は、砂漠気候下で、砂丘の風下側の急斜面(すべり面)に砂が堆積してできたものである(参照:砂丘の風下側の急斜面)。
この付近に入り口があるトレイルを進むと、ボツカツ層が侵食を受けてできた多くの奇岩に出会える。亀の頭、ビザンチンの石柱など様々名が付けられている。
2003年8月11日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-15 22 24.83, -55 50 55.85 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 129°
PanoraGeo-No.541
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| シャパーダって何だ? [アラリペ:1] | 12 /20 |
アラリペ台地、ブラジル最初のジオパークChapada do Araripe (Araripe Tableland), Brazil's first geopark |
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アラリペ台地(シャパーダ・ド・アラリペ)はブラジルにおける代表的シャパーダ(堆積岩台地、メサ)のひとつで、国立公園ではないが、2006 年にブラジルで最初の UNESCO ジオパークになった。 その後長い間、アラリペ台地がブラジル唯一のジオパークであったが、2022 年以降、新たなジオパークの認定があり、2025 年時点では、ブラジルには六つのジオパークがある。
アラリペ台地は白亜紀前期(約1億1千億~1億2千万年前)の化石産地として世界的に有名で、これがジオパーク認定の主な理由である。魚類、昆虫、植物などの化石が多い。
写真は頂の平らなこの台地とその北東麓のカリリの谷(Vale do Cariri)とよばれる低地を望んだものである。 ブラジル北東部地方の内陸は、乾燥が厳しい熱帯半乾燥気候であるが、カリリの谷は、アラリペ台地に吹き当たる風がもたらす地形性降雨に恵まれたオアシスのようなところで、サトウキビの栽培も行われている。 とくに、クラトやジュアゼイロドノルテなどの都市に近い台地北東部は雨が多く、台地の上にも豊かな森林が茂り、アラリペ・アポジ(Araripe-Apodi)国有林という自然保護地になっている。
1996年7月26日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 10 48.08, -39 19 48.48 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 209°
PanoraGeo-No.81
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| シャパーダって何だ? [アラリペ:2] | 13 /20 |
典型的なメサ、アラリペ台地Chapada do Araripe (Araripe Tableland), a typical mesa landform |
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ブラジル北東部地方(ノルデステ)の内陸のペルナンブコ州とセアラ州の境界に沿って東西にのびるアラリペ台地の東端部である。 この台地はこの付近で最も高く、標高 970m くらいある。 この地形は、きわめて平坦な台地面とそれを取り巻く急斜面、およびその麓の緩斜面からなっている。 この台地は、侵食されにくい地層が、その下位にある柔らかい地層の侵食を防いでできるメサという地形である。 このような地形をつくる侵食されにくい地層のことをキャップロックという。 この写真の平坦な台地面と急斜面とをつくっているキャップロックは、エシュー層(Exu Formation)という砂岩層である。 この地層の下位にあり、急斜面の麓の緩斜面をつくっているのが、化石を豊富に産するサンタナ層(Santana Formation)である。 この緩斜面を刻む小川の河原では、化石を含んだ小石を見つける幸運に恵まれることもある。 1996年7月31日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 17 43.89, -39 2 8.46 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 196° PanoraGeo-No.538 |
河原に落ちていたただの石? |
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| シャパーダって何だ? [アラリペ:3] | 14 /20 |
アラリペ台地のキャップロック、エシュー砂岩層Caprock on the Chapada do Araripe (Araripe Tableland), Exu Sandstone Formation |
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アラリペ台地をつくる地層の最上位に横たわるのが、この写真の崖に現れているエシュー砂岩層である。 台地を取り巻く斜面最上部の急斜面をつくり、また台地の平坦さをつくっているのはこの地層である。 もっとも厚いところで 300m もあるこの砂岩層にはほとんど化石は含まれておらず、時代決定が難しいが、ほかの地域の同様な地層との対比などから、中生代白亜紀前期から後期にかけて(約1億年前)のものとされている。
この地層がキャップロックになる要因としては、硬く固結していることのほか、透水性が高くて雨水がすぐに地下に浸透してしまうため、台地表面を流れて土地を侵食することがないこともあげられる。
この台地をジオパークにした要因である豊富な化石を含むのは、エシュー層より下位にあり、急斜面の麓に分布する中生代白亜紀前期(1.1億~1.2億年前)のサンタナ層とよばれる地層である。 アラリペ台地の地質については、こちらを参照されたし。
1996年7月30日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 20 1.08, - 39 24 43.56 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 282°
PanoraGeo-No.543
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| シャパーダって何だ? [アラリペ:4] | 15 /20 |
豊かな湧水に恵まれたアラリペ台地の麓Foothills of the Chapada do Araripe (Araripe Tableland) blessed with abundant spring water< |
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アラリペ台地の北東麓のカリリの谷は、地形性降雨がある上、アラリペ台地の麓から湧く地下水も豊富で、水不足に悩む周辺地域より恵まれている。 写真はそのような湧水を集落に引く用水路の水を、途中の農家の人たちが洗濯や水浴に利用しているところである。 最近では、このような豊富な湧水を利用した水浴リゾート施設も出来た。
アラリペ台地に降った雨の大部分は地下に浸透してしまい、台地の上を流れて谷を刻むことは稀である。 したがって、アラリペ台地における侵食の主役は、川ではなく、浸透した後に台地の麓から湧き出す地下水である。 地下水の湧き出し口付近の土砂が洗い出される作用を地下水サッピング Groundwater sapping あるいは単にサッピングと言う。 地下水サッピングによって麓を削られた台地斜面では崩壊が起こる。そのようなプロセスの繰り返しによって、台地斜面は急傾斜のまま後退して行く。
台地の麓で地下水が集中して湧き出すところでは、サッピングに伴う崩壊が頻繁に起き、台地に食い込む形の谷が出来る。これについては、資料:アラリペ台地を取り巻く急斜面で起きていること を参照されたい。
1996年7月30日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 20 8.51, -39 24 38.94 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 250°
PanoraGeo-No.536
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| シャパーダって何だ? [アラリペ:5] | 16 /20 |
アラリペ台地の谷に立地する小都市、アラリペAraripe, a small city located in the valley of the Chapada do Araripe (Araripe Tableland) |
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堆積盆地(卓状地、プラットフォーム)の水平な地層にできたシャパーダ(メサ)の特徴は、この写真のスカイラインが示すように、地表がきわめて平坦なことである。 その平坦な台地面は、わずかに傾いている場合が多いが、アラリペ台地では西に向かって1㎞ あたり1m くらい低下する程度で、傾きは極めて小さい。 それでも、東端で標高は 1000m近くあった台地は、東端から 120㎞ 来たこの付近では 850m 程度に、190㎞ 行った西端では 760m くらいになる。
水に乏しい台地の上には大きな集落はなく、ほとんどの都市は台地の麓か、このアラリペの町のように、台地に切り込んだ浅い谷の湧水に恵まれた場所などに立地している。
1980年1月18日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 12 28.68, -40 8 22.81 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 159°
PanoraGeo-No.535
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| シャパーダって何だ? [アポジ:1] | 17 /20 |
リオグランデドノルテ(ポチグアル)堆積盆地のアポジ台地Chapada do Apodi (Apodi Tableland) extending over the Potiguar Basin |
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ブラジル北東部地方リオグランデノルテ州の北東部には、アポジ台地(シャパーダ・ド・アポジ)という低い台地がひろがっている。 台地の一部はセアラ州境を越えて西方へひろがり、ジャグアリーベ川の低地に接している。 最高点でも 250m を少し超える程度、周辺の低地との比高は数十m という低い台地である。
写真は、この台地の東縁をなすアス―川(別名ピラニャス川)沿岸から西を望んだもので、水平なスカイラインがアポジ台地である。 標高も比高も小さいが、地質的には立派な堆積岩台地である。 中生代白亜紀後期(8000万~9000万年前)の石灰岩層(ジャンダイーラ層 Fm Jandaíra)がキャップロックになっている。 この地層は、リオグランデノルテ州の北海岸の陸上から海底にかけてひろがるポチグアル盆地(Bacia Potiguar)という堆積盆地を構成する地層である。
ポチグアル盆地は、1970年代に石油と天然ガスの埋蔵が確認され開発されたブラジル有数の陸上油田地帯である(参考:ブラジルの陸上油田産油量)。 ただし、ブラジルの原油生産の主体はブラジル南東部リオデジャネイロ州やサンパウロ州沖の海底油田で、陸上油田の比重は小さい。 最近、赤道縁辺盆地(Equatorial basins)と呼ばれるアマゾン川河口部一帯の石油埋蔵が有望視され調査が始まった。ポチグアル盆地はそれを構成する5区画の一つである。 なお、「ポチグアル」は「リオグランデドノルテ州の」という意味の形容詞あるいは「リオグランデドノルテ州の人」という名詞である。
1994年7月16日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-5 37 54.70, -36 51 38.09 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 275°
PanoraGeo-No.758
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| シャパーダって何だ? [アポジ:2] | 18 /20 |
熱帯半乾燥気候のアポジ台地におけるメロン栽培Melon cultivation in the Chapada do Apodi (Apodi Tableland) in a tropical semi-arid climate |
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アポジ台地の気候は、高温で長い乾季のある熱帯半乾燥気候(高温のステップ気候-BSh気候)である。 写真の奥に見える植生は、このような気候のもとで特徴的な有刺灌木林(トゲ林)で、ブラジルではカーチンガ(caatinga)と呼ばれている。 カーチンガは、先住民の言葉で「白い林」という意味。乾季に落葉して白っぽい色の林になるためである。 撮影時の1月は雨季の始まりで、ひと雨あったために一部の木は緑になっている。
このような気候下では、灌漑施設なしには安定した農業は不可能なので、この農場では、1000m を超える深井戸の地下水を使って、大規模なメロン栽培をしている。 この畑では、各畝沿いに設置したホースから水を少しずつ点滴するドリップ灌漑をしている。 この深井戸はブラジル石油公社(ペトロブラス社)が石油のために掘ったが、石油や天然ガスは出ず、50℃近い温水が噴出、それを払い下げてもらったものである。 灌漑には温水でも問題ないらしい
林に沿っていくつか並んでいる白い塊は石灰岩である。 石灰岩層をキャップロックとするアポジ台地では、一般に土壌が薄く、畑を作る際に石灰岩塊が出てきて邪魔になるので取り除く。
2002年1月9日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-5 22 50.24, -37 15 3.77 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 266°
PanoraGeo-No.759
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| シャパーダって何だ? [サンフランシスコ川:1] | 19 /20 |
サンフランシスコ川台地とジェラール・デ・ゴイアス山脈Chapadas do Rio São Francisco and Serra Geral de Goiás |
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ブラジル内陸部、ブラジリア北方のトカンチンス州とバイア州の境界付近を上空から見た写真で、写真下部は、あと1カ月後(10 月)には種まきが始まる大豆畑が広がるサンフランシスコ川台地(シャパーダス・ド・リオ・サンフランシスコ)である。 この大豆畑の縁がほぼ両州の境界で、写真上(西)がトカンチンス州、下(東)がバイア州である。 同時にこれがアマゾン川水系のトカンチンス川とブラジル国内河川では最大のサンフランシスコ川の分水界でもある。
サンフランシスコ川台地は、中生代白亜紀後期(9600万~6500万年前)のウルクラ(Urucula)層群の砂岩層をキャップロック(台地表面をつくる侵食されにくい地層)としている。 砂岩層の透水性が高いため、降った雨水のほとんどは地中に浸透し、地表に水系が発達しにくいので、台地面は極めて平坦で広々としている。
このように平坦な堆積岩台地(シャパーダ)は機械化された大豆の大規模栽培には最適で、サンフランシスコ川台地は、マトグロッソ州のパレシス台地(シャパーダ・ドス・パレシス)などとともに、1990 年代以降盛んになったブラジル高原における熱帯産大豆の主産地である。
標高 600m 前後のトカンチンス川流域と約 900m のサンフランシスコ川台地の間には、高さ 300m 前後の急斜面が続いている。 低地側から見ると、かなり険しい山脈に見えろこの急斜面は、ジェラール・デ・ゴイアス山脈と呼ばれている。 ブラジルで山地・山脈(Serra、セラ)と呼ばれるものの多くはこの手のものである。 なお、サンフランシスコ川台地は、東方(写真下方)のサンフランシスコ川に向かって、1㎞ に付き2m くらいの割で低くなって行くので、ジェラール・デ・ゴイアス山脈は大規模なケスタの崖とも言える。
2011年9月4撮影
カメラの位置 (緯度,経度):-12 17 52.80, -46 11 49.31 (Google Map)
撮影方向:北から時計回り 289°
写真中心位置:-12 13 55.31, -46 23 28.01 (Google Map)
PanoraGeo-No.534
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| シャパーダって何だ? [サンフランシスコ川:2] | 20/20 |
サンフランシスコ川上流域のカンポセラードの小さいシャパーダSmall chapada in campo cerrado in the upper São Francisco River Basin |
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バイア州南西部、サンフランシスコ川上流域にひろがるカンポセラードを空から見た景観である。 カンポセラード(Campo cerrado)はブラジル高原のサバナ原野のこと。 セラードは草原の中に背の低い木が分散して生えた、疎林などとも言われる植生である。 右の表のとおり、撮影した7月末は、5月から9月まで続くほとんど雨のない乾季の最中で、落葉樹はすべて落葉している。 しかし、セラードには、地中深くまで張った根で水分を得て常緑を保つ樹種もあり、写真には緑のところもかなり見える。 写真中央部から右端にかけて細長い台地(シャパーダ)があり、それ以外はすべて緩やかに波打った低地である。 台地を取り巻く崖には、赤みを帯びたキャップロック(台地表面をつくる侵食されにくい地層)が露出している。 この付近には、このような小さな台地がいくつも分布している。 この台地は前ページの写真の台地と同じサンフランシスコ川台地の一部で、透水性の砂岩層からなっている。 かつては、この辺一帯にこの地層からなる台地がひろがっていたと思われるが、侵食*1)が進んでこのように小さな台地になってしまった。 そのプロセスは、堆積岩台地(シャパーダ)のできるまでの説明のとおりである。 *1) このような透水性のキャップロックの台地の場合、台地を縮小して行く「侵食」は川による侵食ではない。
写真中央部ではU字型の平面形の谷が台地に食い込んでいるが、このような谷は、キャップロックに浸み込み、台地斜面基部で湧き出す地下水によるサッピングの産物、すなわち地下水サッピングによる円形劇場谷頭の谷である(参照:アラリペ台地を取り巻く急斜面で起きていること)。
地下水の湧き出しが特に多い部分ではこのような谷が食い込んで行って台地を分断する。
それ以外の部分も、崖の麓からの湧き水によるサッピングで崖が崩れて、少しずつ後退する。
すなわち、この場合の川のおもな役割は侵食ではなく、サッピングや崩壊で生じた土砂の運搬である。 2002年7月29日撮影
カメラの位置 (緯度,経度):-14 6 41.59, -44 55 12.35 (Google Map)
撮影方向:北から時計回り 172° PanoraGeo-No.760 |
バレイラスの気温と降水量*2) |
Enlarged and revised on November 18, 2025