カンポセラードの赤土にひろがるサトウキビ畑Sugar cane field spreading on the red soil of Campos Cerrados |
randum
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熱帯のイメージカラーは?と言えば、やはり赤だろう。真っ赤に燃える灼熱の太陽もさることながら、土の赤さもその理由の一つである。 写真はブラジル内陸ゴイアス州のカンポセラード(サバナ原野)にひらかれたサトウキビ畑で、刈り取りが終わった畑に赤い色のラトゾルがむき出しになっている。 ラトゾルはラトソルとも表記されるが、ここでは土壌専門家の多くが使うラトゾルを採用、アメリカ新分類ではオキシソル(Oxisol)という。 ラトゾルは鉄の酸化物が大量に残留した土壌で、同じ鉄酸化物でも赤鉄鉱(ヘマタイト Fe2O3)は赤、針鉄鉱(ゲータイト FeO(OH) )は黄色を呈する。 したがって、ラトゾルにも写真のような赤色ラトゾルもあれば、アマゾンに多い黄色ラトゾルもある。 ブラジルのサバナ地帯の代表ともいえるゴイアス州の土壌は、ラトゾルが 52%、同じ赤みがかった赤黄色土(赤黄色ポドゾル性土、ブラジルではアルジソロ Argissolo、アメリカ新分類ではアルティソル Ultisol)の 15%を加えると、約 2/3 が赤味がかった土壌である*1)。 ひと昔前まで、ラトゾルは不毛で農業には向かない土とされていたが、現在では石灰や化学肥料の投入など農業技術の発達によって、農地化される例が増えた。 ブラジルではサトウキビ栽培地の内陸への拡大が著しいが、ゴイアス州南部はそのような新興サトウキビ栽培地域の一つ。 写真は、昼食を終えて午後の仕事に取り掛かるボイアフリア(農業労働者)たちである。
*1)Características dos Solos Goianos. http://files.euriconeto2.webnode.com/200000070-9b75f9c6f5/GO.pdf(ポルトガル語)
2007年9月11日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-17 12 26.52, -50 7 19.55 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 174°
PanoraGeo-No.130 🔍拡大