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アルゼンチンの砂漠 8 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
タランパヤ川峡谷の垂直な谷壁に刻まれた多数の縦溝、いわゆる「パイプオルガン」の
パイプのひとつを、下から望んだものである。その水平断面は見事な半円で、まさに円筒を縦に割った形の
ハーフパイプである。ただ、このパイプをよく見ると、中心となる径の大きなパイプの右に沿って径の
小さなパイプが付随している。従来言われてきたような渦を巻いた風による侵食によって、このように
微妙な地形ができるだろうか? 風といっても、空気ではなく、風で巻き上げられた砂が紙やすりの
ようにして岩盤を削磨するのであろう。とすれば、砂塵の濃度が薄い崖の上部ではパイプができにくい
はずであるが、パイプは下から上まで一様にできている。 従来の風食説に対し、ここでは水食説を提案する。それは、多雨期で水量も流送砂礫も豊富だった タランパヤ川が、峡谷を掘り下げると同時にパイプも彫り上げた、という考えである。パイプは 下刻が進みつつある河床につくられたポットホール(甌穴)である。この考えのヒントとなった のは、同じ南アメリカではあるが、ここよりはるかに離れた ブラジル北東部での事例である。 2004年9月5日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-29 47 26.23, -67 50 27.21 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り - |
PanoraGeo-No.33 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 8/21 ⇒NEXT |