![]() アマゾン川河口部水路地帯のデルタのような地形Delta-like topography of the Channels Zone, Amazon River Mouth Region |
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これは、マラジョー島とその西の本土をへだてる数本の水路(フーロ)があるアマゾン水路地帯を空から南望した写真である。
左上の広い水面は、パラ川と呼ばれてはいるが、実際にはマラジョー島の南を限る南エスチュアリーの最奥部(ボカス湾)である。
この部分に関しては次のような記述がある:「また、シオリもアマゾン川の河口を真のデルタとは考えておらず、むしろ広いエスチュアリー(三角江)であるとしている; この筆者にとってのアマゾンにおける真のデルタは、マラジョー島と本土の間にあり、「パラ川」西端のボカス湾に流れ込む多くの「フーロ」(水路)によって形成されたものである」*1)。
シオリとは、アマゾンの自然に関する著名な研究者ハラルド・シオリ Harald SIOLIのことで、彼は 1966 年にこの見解を公表している。
彼の言うことを補足すると:アマゾン川の河口(とくに北エスチュアリー)はラッパ上に開いたエスチュアリーの水面に大小無数の島が分布し、一見エスチュアリーの中に出来たデルタ(estuarine delta)に見えるが、アマゾン河口に厳密な意味のデルタは存在しない、アマゾン河口部でデルタと言えるのはせいぜいこの写真の部分だけである、ということになる。
シオリの原論文に接し得ないので、彼がそのように判断した理由は定かでない。しかし、近年の地形・地質資料は、アマゾン河口部の島々の多くは更新世台地やそれより新しい低い台地などからなっており、厳密な意味のデルタ島*3)(沖積低地)ではないことを示している。したがって、彼の見解は基本的に正しいようである(参照:ブラジル地理統計院発行 100 万分の 1 地形図)。
ところが、さらに大縮尺のブラジル地理統計院地図を見てみると、シオリがデルタと考えたこの水路地帯もデルタかどうか怪しくなってきた。
これらの地図には、ところどころに独立標高点が表示されており、この写真に写っている範囲の島々には 21m、25m、31m、40m などの表記がある
(参考:25 万分の1地形図)。
すなわち、これらの島々は、マラジョー島西部や本土の海岸部と同じ小起伏の台地(テラフィルメ)であって、洪水のたびに冠水して土砂が堆積するようなデルタ島ではないと考えざるを得ない。
結局、アマゾン河口部には大規模なデルタは無いという結論になる。
*1)Soares, Lucio de Castro (1977) : in Geografia do Brasil – Região Norte, p.149, IBGE. 原文は:Por sua vez, Sioli também não considera a boca do Amazonas um verdadeiro delta, mas sim um extenso e largo estuário; para este autor, o verdadeiro delta do Amazonas está entre a Ilha do Marajó e o continente, e é formado pelo feixe de “furos” que desembocam na baía das Bocas, esta situada na extremidade ocidental do “rio Pará”. *2)厳密な意味のデルタ島は、現在そこを流れる川が堆積した新しい土砂からなり、高さも川の水面とは大きく違わない低地、すなわち氾濫原(ヴァルゼア)である。
1993年8月8日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-1 44 0.37, -50 33 8.99 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 160°
PanoraGeo-No.410 🔍拡大