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バイオ燃料 先進国ブラジル 6 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
ブラジル北東部地方(ノルデステ)の東海岸は幅が数十キロ~ 100km の海岸平野
で縁取られており、そこがおもなサトウキビ栽培地域である。この海岸平野は、おもに、川沿いの氾濫原、
円頂丘が連なる丘陵地、およびタブレイロスとよばれる低い台地という三つの地形からなっている。このうち、
タブレイロス台地は農耕には向かない痩せた土地のため、熱帯季節林に覆われた林地のまま
残されてきた。
しかし、国家アルコール計画が始まった 1970 年代後半以降、タブレイロス台地の上にまでサトウキビ畑が
つくられるようになった。写真はアラゴアス州におけるそのようなタブレイロス台地である。平坦な台地の上は
すべてサトウキビ畑(明るい緑)になり、森林(濃い緑)は台地を樹枝状に刻む開析谷の斜面に残るだけ
である。ブラジルの東海岸沿いに北東部地方から南部地方まで続く森林は、大西洋岸森林(マタアトランチカ)と
よばれ、ブラジルではアマゾニア森林と並ぶ二大森林であったが、現在ではその 90 %以上が消失してしまった。
大西洋岸森林の消失に一役買ったことは、国家アルコール計画の最大の副作用である。アマゾンの森林が
このようにならないよう、これまでのブラジル政府はいろいろな施策を行ってきたが、最近の政治情勢では
これが怪しくなってきたことは、本テーマの13ページで述べるとおりである。
1996年8月18日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-10 11 29.18, -35 57 40.83 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 314° 写真中心位置:-10 1 4.87, -36 9 22.36 (Google Map) |
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