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バイオ燃料 先進国ブラジル 19 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
写真左の煙突のある建物は、サトウキビからバイオエタノールを製造する工場
の心臓部ともいえるボイラー棟で、その後ろにはこのボイラーの燃料となるバガス
(サトウキビの絞りカス)が野積みされている。工場が消費する動力や電力はすべてこのプラントで賄われ、
それでも余るバガスで発電して、電力会社に売電する工場が多い。このようにバガスを工場のエネルギー源に
できる点が、サトウキビを原料としたバイオエタノールの強味で、エネルギー収支比を高いものにしている。
エネルギー収支比とは、ある燃料について、その生産のために投入したエネルギーの何倍のエネルギーが
その燃料から得られるかを示す数値で、値が大きいほど効率は良い。ブラジルのサトウキビ原料のエタノール
のエネルギー収支比は8~10 と高く、その値が 1.5 前後のアメリカ合衆国のトウモロコシ原料のエタノールを
はるかに凌いでいる。エネルギー収支比が高いことは環境への二酸化炭素負荷が低いことでもある。
もちろん、サトウキビ生産やエタノール製造の過程で若干の二酸化炭素は排出されるが、ガソリンの代わりに
エタノールを使うことで、その数倍の二酸化炭素の排出を削減できる
(参考:サトウキビ原料バイオエタノールのエネルギー収支)。
当初、石油代替策として生産が始まったブラジルのバイオエタノールは、今では環境にやさしい燃料という
長所が認められて、この国における自動車燃料の主流となっている。
2002年1月3日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 21 9.95, -35 1 45.20 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 225° |
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