ブラジル大西洋岸楯状地の侵食平野と残丘Erosional plain and residual hills of the Brazilian Atlantic Shield< |
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テーマ 37 ユニークな山と丘熱帯の地学(2) 16 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る イタベラーバの気温と降水量*1) |
ブラジル北東部地方(ノルデステ)バイア州中東部、大西洋岸から 170㎞ 内陸で、熱帯半乾燥気候(ケッペンの高温ステップ気候 BSh、右の気候表参照)下にあるイタベラーバ市郊外のイタベラーバの岩山(Pedra de Itaberaba)である。この付近には、 始生代末期(25~30 億年前)という非常に古い地質時代の片麻岩からなる楯状地に、なだらかな侵食平野がひろがるが、ところどころにこの写真のような残丘がそびえている。 急な露岩の山腹とドーム状の頂をもったボルンハルトである。ボルンハルトは湿潤熱帯に多いが、この例のように半乾燥地域にも、砂漠地域にも存在する。 乾燥地域のボルンハルトは、かつてあった湿潤気候の時代における岩盤の深層風化と、現在のような乾燥気候の時代における風化物質の除去という二つのプロセスによってできた2サイクル性(二輪廻性)の地形であることが多い。 すなわち、地下にできた岩山の地形(ボルンハルトの形成と崩壊の図A)が、その後の乾燥気候の時代の疎らな植生と稀に降る強い雨でルーズな風化物質が洗い流され、 未風化の岩体が掘り出されてできた、いわば発掘地形と言われるものである。
*1) ブラジル気象庁(INMET)資料(1981-2010年平年値)
2007年3月5日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-12 31 14.01, -40 5 50.36 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 43°
PanoraGeo-No.27 🔍拡大