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シャパーダって何だ? 15 アラリペ台地 BACK⏎ ⇒NEXT 直前のページに戻る |
アラリペ台地の北東麓のカリリの谷は、地形性降雨がある上、
アラリペ台地の麓から湧く地下水も豊富で、水不足に悩む周辺地域より恵まれている。
写真はそのような湧水を集落に引く用水路の水を、途中の農家の人たちが洗濯や水浴に
利用しているところである。最近では、このような豊富な湧水を
利用した水浴リゾート施設もできた。
アラリペ台地に降った雨の大部分は地中に浸透してしまい、台地の上を流れて谷を刻むことは稀である。
したがって、アラリペ台地における侵食の主役は浸透したあと台地の麓から湧き出す地下水である。
地下水の湧き出し口付近の土砂が洗い出される作用を地下水サッピング Groundwater sapping あるいは
単にサッピングという。サッピングによって裾を削られた台地斜面では崩壊がおこり、
そのようなプロセスの繰り返しによって、台地の縁は後退してゆく。
アラリペ台地東部の衛星写真を見ると
アラリペ台地の縁には、平面形でU字型あるいはC字型に食い込んだところが多数見られるが、
これらは地下水サッピングがとくに激しく生じた部分にできた谷あるいはそのできかけの地形である。
サッピングによってできる谷には、平面形が半円形の急崖の谷頭、広いU字型横断面の谷底、谷斜面と
谷底の明瞭な傾斜変換などの特徴があり、円形劇場型谷頭谷(Amphitheater-headed valley)と
いう呼び名がある1)。このような地形は、深層風化でできた
風化層(サプロライト)の丘陵地でもみられる。 1) Barta G., De Hon R. (2014) Amphitheater-Headed Valley (Mars, Earth). In: Encyclopedia of Planetary Landforms. Springer, New York, NY. https://doi.org/10.1007/978-1-4614-9213-9_327-1 1996年7月30日撮影 カメラの位置 (緯度,経度):-7 20 8.51, -39 24 38.94 (Google Map) 撮影方向:北から時計回り 250° |
PanoraGeo-No.536 | 直前のページに戻る BACK⏎ このテーマ 15/18 ⇒NEXT |